招き猫には、右手・左手・色・置き場所ごとに意味があります。
しかし「どれが正解か」ではなく、「何を招きたいか」で選ぶことが大切です。
この記事では、招き猫の由来や一般的な意味を整理したうえで、
kippo-独自の視点から「本当に納得して選ぶ考え方」を解説します。
玄関やレジの横に置かれている招き猫。
「縁起がいいから」となんとなく飾っているけれど、右手を挙げているのと左手を挙げているのでは意味が違うって知っていましたか? 色によってもご利益が変わるって聞いたことは?
招き猫は、ただ「可愛い置物」ではありません。
江戸時代から続く日本の縁起物として、それぞれの形や色、仕草に込められた意味があります。でも、その意味を知らずに置いているだけでは、せっかくの招き猫も本来の力を発揮できていないかもしれません。
この記事では、招き猫の起源や、手や色の違い、置き場所といった基本をいったん整理します。
そのうえで、「そもそも、なぜ招き猫って気になるんだろう?」というところまで踏み込みます。
どう選べばいいのか。
どう付き合えば、無理なく暮らしに馴染むのか。
kippo-なりの視点で考えてみます。
「開運グッズ」として消費するのではなく、自分の暮らしや願いに合った一体と出会うために、この先の話を読んでもらえたら嬉しいです。
招き猫が「縁起物」である理由|起源と背景を整理する
なぜ「猫」が福を招くのか
招き猫の起源は、江戸時代末期(18世紀後半〜19世紀)にさかのぼります。浅草や世田谷といった地域で生まれたとされる説が有力です。
そもそも、なぜ「猫」が縁起物として選ばれたのか。
それは、農業や養蚕業における猫の役割に由来します。かつて、ネズミは農作物や蚕を食い荒らす害獣でした。猫はそのネズミを駆除してくれる存在として、「福を呼ぶ動物」「守り神」と大切にされてきた歴史があります。
さらに、猫が顔を洗う仕草──いわゆる毛づくろい──が、まるで人を手招きしているように見えることから、「猫が顔を洗うと客が来る」「雨が降る(雨宿りの客が増える)」という言い伝えが生まれました。この習性が、招き猫という造形物の原型になったと考えられています。

招き猫の由来と伝説、「招く」力はどう語られてきたか
招き猫の発祥にまつわる伝説は複数ありますが、中でも有名なのが次の2つです。
豪徳寺説(世田谷): 江戸時代、井伊直孝が鷹狩りの帰りに寺の門前で白猫に手招きされて立ち寄ったところ、直後に激しい雷雨が降り、濡れずに済んだ。さらに和尚の話を聞くことができ、これにより豪徳寺は井伊家の菩提寺として栄えたという逸話です。
今戸神社説(浅草): 貧しい老婆が愛猫を手放した際、夢枕に猫が現れて「自分の姿を人形にすれば福を授かる」と告げた。その通りに今戸焼の猫を作って売ったところ大評判になり、老婆は富を得たという説です。
どちらの伝説も共通しているのは、猫が"何か"を招き寄せたという点。それが人であれ、幸運であれ、お金であれ、「招く」という行為そのものが招き猫の本質なのです。
調べてみるとわかる、「左右の手」と「色」の話
招き猫について調べていくと、情報の共通点と同時に、微妙なズレや誤解されやすい点も見えてきます。
右手・左手・両手、どれが正解?
最もよく聞かれる疑問が、「右手と左手、どっちがいいの?」というものです。
一般的には、右手は「金運」や「幸運」を招く、左手は「人(客)」や「良縁」を招くとされています。
右手でお金を扱ったり、小槌を振ったりする習慣に由来する説や、かつて遊郭などで客を招く仕草が左手だったことに由来する説があります。
そして、両手を挙げた招き猫も存在します。これは「金運も人も両方招きたい」という欲張りな願いを込めたものですが、「お手上げ(降参)のポーズに見える」「欲張りすぎる」と敬遠する声もあります。

「どれが正解か」を決めるルールは、実はありません。
あるとしたら、「今の自分に、何が必要か」を考えることくらい。
願いや状況に合わせて選ぶ。
それが、招き猫と無理なく付き合う一番の近道だと思います。
色の意味は後付け? それとも伝統?
近年、招き猫のカラーバリエーションは驚くほど豊富になりました。
白(三毛)、金、黒、赤、ピンク、青、緑、紫、さらにはヒョウ柄まで。
それぞれに「金運」「魔除け」「恋愛成就」といった意味が割り振られていますが、これらの色の意味は、すべてが江戸時代からあったわけではありません。
たとえば、白(三毛)は最もベーシックで「開運招福・万能」とされます。黒猫は「夜でも目が見える=災難を払う」という発想から「魔除け・厄除け」、赤は天然痘(疱瘡神)が赤色を嫌うという古い信仰から「健康長寿・病除け」とされてきました。
一方で、ピンクの「恋愛成就」や青の「学業成就」は、比較的新しい意味付けです。風水的な考え方や、現代の消費者ニーズに合わせて後から加えられたものも多いのです。
つまり、色の意味は「絶対的なルール」ではなく、「文化と時代が育ててきた解釈」だということ。だからこそ、「この色でなければダメ」と思い込む必要はありません。

kippo-の視点|招き猫は、願いを思い出させてくれる存在
ここからは、他のサイトではあまり語られない、kippo-ならではの切り口をお伝えします。
招き猫の本質は「願いを形にすること」
招き猫は、ただの置物ではありません。自分が何を望んでいるのかを、目に見える形で確認するためのツールです。
右手を挙げた金色の猫を選ぶとき、あなたは「お金の流れを良くしたい」と思っている。
左手を挙げた猫を選ぶとき、「もっと人とのご縁を大切にしたい」と考えている。
ピンクの猫を選ぶとき、「恋愛や人間関係を豊かにしたい」と願っている。
つまり、招き猫を選ぶ行為そのものが、自分の願いを整理し、意識化するプロセスなのです。
毎日目にする場所に招き猫を置くことで、「そうだ、今年は金運を意識しよう」「人との出会いを大切にしよう」と、無意識のうちに自分の行動や判断が変わっていく。
それが、招き猫が「福を招く」と言われる本当の理由ではないでしょうか。
「置くだけで運が上がる」は幻想。大事なのは「関係性」
開運グッズ全般に言えることですが、「置くだけで何かが起こる」と期待するのは危険です。
招き猫も同じ。ただ飾っておくだけでは、ただの置物です。大切なのは、招き猫との"関係性"をどう築くか。
たとえば、毎日ホコリを払い、きれいに保つ。それは「大切にする」という行為であり、同時に「自分の願いを忘れない」ための習慣です。
玄関に置いた招き猫を見るたびに、「今日も良い一日にしよう」と気持ちを切り替える。それが、日々の小さな行動の積み重ねにつながっていきます。
招き猫は、運を呼ぶというより、自分が何を大切にしたいかを思い出させてくれる存在なのかもしれません。
どんな招き猫が、自分に合う?
ここからは、「暮らしに取り入れやすい」「可愛くて長く置きたくなる」
そんな視点で選んだ招き猫を紹介します。
ご利益の強さや正解を競うためではなく、
「これなら置いてみたい」と思えるかどうか。
その感覚を大事にしながら、眺めてみてください。
ちょっと良いものを置きたい人へ(5,000円以上)
【 KataKoto / カタコト 】 Manekineko Bank First Model Black
ブラックにゴールドのラグジュアリーな招き猫です。
左手(前脚)を挙げている猫は、昔から人を招くと言われています。
ぽっちゃりとしたフォルムに、 リボン。
首のリボンからお金を入れるところが隠れているので普段は見えません。
へそくりを貯めて、いざという時に備えるもよし、ご祝儀を入れて、開店、開業祝いに贈っても楽しいデザインです。
500円貯金で約30万円貯まります。
陶磁器産地として有名な九州の佐賀県。 約400年もの歴史がある肥前吉田焼で制作しています。
価格目安:約19,800円(税込)
向いている人:
・玄関やリビングのワンポイントにしたい
・魔除け・厄除けをしたい人
・プレゼント映えを重視したい人
Floyd Fortune Cat Set
モンダンなデザインの招き猫。
これなら贈り物にもピッタリ。
可愛すぎますね。
価格目安:約5,500円(税込)
向いている人:
・シンプルなデザインが好きな人
・コテコテしたデザインが苦手な人
日常に取り入れやすい価格帯(3,000円〜4,999円)
薬師窯 招き猫 陶器(健康長寿祈願)
愛くるしい表情で、たくさんの福を呼び込んでくれる招き猫。
縁起物として親しまれており、開店祝いや商売繁盛を願うギフトとしてはもちろん、猫好きの方への贈り物としても人気があります。
すっきりと洗練されたデザインは、現代のインテリアにも自然に溶け込み、玄関や店舗のちょっとしたスペースにも置きやすいサイズ感。
空間の雰囲気を和らげ、やさしい存在感を添えてくれます。
一般的に招き猫は、右手で「金運」、左手で「人」を招くとされていますが、薬師窯の招き猫は、手の向きに関わらず、薬師如来のご加護により「健康長寿」を招くとされ、多くの方に選ばれています。
薬師窯は、千年以上の歴史を持つやきものの街・愛知県瀬戸市にある陶磁工房ブランド。
手仕事ならではのあたたかみと、日本の伝統美が感じられる招き猫は、大切な人への贈り物や海外の方へのお土産にもぴったりです。
価格目安:約3,300円(税込)
向いている人:
・派手すぎない可愛さが好き
・和室・和モダンインテリアに合わせたい
・「手仕事感」を大切にしたい人
Floyd Fortune Cat Heart
先ほども紹介したFloydの招き猫。
シンプルなデザインにハートのモチーフ入り、良縁を招き入れる思いが込められているそうです。
日本では古、ハートに似た「猪目(いのめ)」と呼ばれる模様が魔除けや服を呼ぶお守りとして親しまれてきました。
価格目安:約3,300円(税込)
向いている人:
・さりげなく招き猫を置きたい
・友人への贈り物を探している人
・気負わない贈り物を探している人
気軽に楽しみたい人へ(〜2,999円)
amabro インドの招き猫
amabroから、インドの職人が手作業で作ったユニークな招き猫のご紹介です。
インドの伝統工芸である紙粘土細工(ペーパーマッシュ)に可愛らしい招き猫がペイントされた一点物。
底面には、インドの職人の直筆サイン入り。
価格目安:約1,650円(税込)
向いている人:
・工芸品が好きな人
・海外の猫が好きな人
・可愛い雑貨感覚で楽しみたい人
どれを選ぶか迷ったら
価格やご利益で選ぶよりも、
置いたときのサイズ感
毎日見て「いいな」と思えるか
自分の部屋や暮らしに馴染むか
この3つを基準にすると、後悔しにくいです。
「これなら置きたい」と思える一体が、いちばんあなたに合った招き猫です。
ピンとこなければ、今日は選ばなくて大丈夫。
招き猫は、急いで決めるものではありません。
向いている人・向いていない人
招き猫が向いている人:
- 自分の願いを「見える形」にして意識したい人
- 日々の習慣として「縁起を意識する」ことを楽しめる人
- 置物やインテリアを大切にする習慣がある人
向いていない人:
- 「置くだけで運が上がる」と過度に期待してしまう人
- 掃除やメンテナンスが苦手で、ホコリをかぶらせてしまう人
- 縁起物に対して抵抗感や違和感が強い人
大切なのは、招き猫を「買わされる」のではなく、「自分で選ぶ」こと。
情報や訴求に流されず、自分の暮らしや価値観に合った一体を見つけることが、本当の意味で「福を招く」第一歩です。
招き猫を、暮らしの中に置いてみる
ここからは、招き猫を暮らしに取り入れるための具体的な方法をご紹介します。
1. まず「何を招きたいか」を言葉にする
招き猫を選ぶ前に、自分が今一番欲しいものは何かを考えてみましょう。
- お金? 人? 健康? 恋愛?
- 仕事の成功? 家族の平穏? 新しい出会い?
紙に書き出してみると、自分の願いが整理されます。そのうえで、手の向きや色を選ぶと、納得感が増します。
2. 置き場所は「目につく&清潔」が鉄則
招き猫を置く場所は、人が集まる場所が基本です。
リビングや玄関など、賑やかな場所が適しています。
ポイント:
- 人の目線より少し高い位置に置く(見下ろさないように)
- 玄関に置く場合は、顔を外側(入り口)に向ける
- こまめに掃除できる場所を選ぶ(ホコリは禁物!)
方角や風水を気にしすぎるより、「毎日目にして、気持ちが上がる場所」を最優先にしましょう。
3. 定期的に声をかける、掃除をする
招き猫との関係性を育てるために、話しかける習慣を作ってみてください。
「今日もよろしくね」「ありがとう」──たったそれだけでも、招き猫への意識が変わります。
また、月に一度は柔らかい布で拭いて、きれいに保つこと。
それは、ただの掃除というより、
自分が何を願っていたのかを思い出す時間でもあるので是非実践してみてください。
4. 「割れたらどうする?」を知っておく
陶器の招き猫は、落としたり、地震で倒れたりして割れることがあります。
割れた招き猫の処分方法:
- 神社やお寺でお焚き上げをしてもらう(理想)
- 難しい場合は、塩と一緒に白い布や紙に包み、感謝の気持ちを込めて処分する
「割れた=不吉」ではありません。「役目を終えた」と考え、感謝して送り出しましょう。
5. 海外の人への贈り物は要注意
日本式の手招き(手の甲を見せる仕草)は、欧米では「あっちへ行け」のジェスチャーに見えることがあります。
海外の方へのお土産にする場合は、手のひらを外側に向けた「ドル猫(Dollar Cat)」や、説明カードを添えると誤解がありません。
「なんとなく」を手放して、招き猫を選ぶ
招き猫は、ただの縁起物ではありません。
自分が何を願っているのかを、日々の暮らしの中で思い出させてくれる存在です。
右手か左手か。
何色がいいか。
どこに置くか。
そうした迷いひとつひとつが、
「自分は何を大切にしたいんだろう」と考えるきっかけになります。
情報に流されるより、
自分の感覚を信じて選ぶこと。
そして、迎えた招き猫を大切にすること。
それくらいの距離感のほうが、
「福を招く」という言葉もしっくりくる気がします。
もし今、部屋やお店に招き猫があるなら、
今日、ほんの少しだけ立ち止まって見てみてください。
なぜ、この猫を選んだのか。
今、自分は何を招きたいと思っているのか。
その問いかけから、
招き猫との関係は、少しずつ変わっていくのかもしれません。


































